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スピリチュアル詐欺の手口とハマる心理|脳科学で解説

「スピリチュアル詐欺」とは、霊感や特別な力があるように見せかけて不安を煽り、高額な商品やサービスを契約させる悪質商法のことです。
消費者庁などでも注意喚起されていますが、被害が後を絶たないのは、詐欺師が「人の脳の習性(認知バイアス)」を巧みに利用しているからです。

最初に知っておいてほしいのは、被害に遭うのは「心が弱い人」ではないということ。
人には誰でも「当たっていると思いやすい」「損を避けたい」「急がされると判断が雑になる」といった傾向があります。
「現状をなんとかしたい」と真剣に考えている人ほど、脳の「答えを焦る機能」を悪用されてしまうのです。

この記事では、「スピリチュアルは好きだけど、高額な話が出てきて不安」「これって詐欺なの?」と感じたときに、落ち着いて判断できるように、よくある手口とそれを心理学的にどう見破るかを解説します。

よくある手口と心理テクニックとは。なぜ「当たっている」と感じるのか

詐欺師は超能力ではなく、心理テクニックを使って「信じやすい状態」を作ります。
ここを知っておくだけでも、冷静さを保ちやすくなります。

誰にでも当てはまる話を「自分だけ」と感じる(バーナム効果)

「あなたは今、人間関係で悩んでいますね?」「表面は明るいけれど、内面には孤独を抱えていますね」 こう言われて「すごい!当たってる!」と思ったことはありませんか?
「あなたは優しいけれど無理をしやすいですね」など、広く当てはまる言葉を言われると、「当たっている」と感じやすいことがあります。

この効果が働くと、「この人は私のことを分かってくれる」と感じやすくなります。
信頼ができると、その後の高額な提案も断りにくくなるため、入口として使われやすいポイントです。

これは「バーナム効果」と呼ばれる心理現象で、誰にでも当てはまる曖昧なことを、自分だけに当てはまることだと錯覚してしまう脳のクセです。
詐欺師はこの性質を利用して、「この人は私のことを分かってくれる(信頼できる)」と信じ込ませます。

不安を強めて判断を急がせる(恐怖訴求)

「このままだと家族に不幸が起きる」「先祖の因縁がある」など、強い恐怖心を与えます。
人は恐怖を感じると、危険に反応する脳の偏桃体(へんとうたい)が興奮し、理性的判断をする前頭前野の機能が働きにくくなると言われています。

正常な判断力を奪った状態で、「これを買えば助かる」と解決策をたった1つ(高額商品)に絞られると、選択肢がないように感じてしまいます。

ここで大事なのは、怖い言葉が出た時点で一度止めて、考える時間を取り戻すことです。

「今さら引けない」と感じて支払いが続く(サンクコスト効果)

最初は数千円の鑑定から始まり、次に数万円の祈祷、さらに高額な商品というように金額が上がっていくケースがあります。
途中で「おかしいかも」と思っても、「ここまで払ったのだからやめたくない」「今まで払ったお金が無駄になる」と感じてしまうことがあります。

これはサンクコスト効果(コンコルド効果)と呼ばれ、過去に払ったお金が、これからの判断を縛ってしまう状態です。
「次こそ結果が出るはず」と深追いさせて沼に沈める、非常に悪質な手口です。

このコンコルド効果の名前は、実際の出来事に由来しています。
フランスとイギリスが共同開発した超音速旅客機「コンコルド」は、開発が進むにつれて「採算が取れない」と分かっていました。
それでも、すでに多額の開発費を投じていたため、「ここでやめたら今までのお金が無駄になる」という判断が働き、結果的に負債を増やすことになりました。

この例から「過去に使ったお金に引きずられて、合理的でない判断を続けてしまう心理」をサンクコスト効果(コンコルド効果)と呼ぶようになりました。

このように過去の投資を取り返そうと深入りするより、「これ以上増やさない」損切り判断が重要になります。

信じたい情報だけ集めてしまう(確証バイアス)

不安が強いときほど、「当たった」「救われた」という体験談だけを見て安心しようとすることがあります。
反対に、否定的な意見や注意喚起を避けたくなることもあります。
これを確証バイアスと呼びます。

もし「良い情報しか入れたくない」状態になっていたら、いったん距離を置いて情報を整理した方が安全です。
自分では気が付きづらいので、第三者に指摘されない限り、のめり込み続けてしまいます。

被害に遭わないためのチェックリスト。この言葉が出たら危険信号

次の言葉や状況が出てきたら、注意して一度止まってください。
ここで立ち止まれるかどうかが大きな分かれ目になります。

このチェックに当てはまるほど、距離を置いたほうが安全です。少しでも違和感があれば、その感覚を無視しないでください。

被害を防ぐための対策→脳を「冷静モード」に戻す方法

その場で判断しそうになったときは、次の行動を「手順」として決めておくと守りやすいです。難しいことはなく、まずは物理的に距離を取るのが効果的です。

その場で決めない(いったん持ち帰る)

高額な話が出たら、その場で契約しないのが基本です。「家族に相談してから決めます」「一度考えます」と伝えて、必ず持ち帰りましょう。
ここで相手が強く引き止めたり、嫌な顔をしたりする場合は、なおさら注意が必要です。

「これまで払った分」は一度脇に置く(損を広げない)

サンクコストが働くと「ここでやめたら無駄になる」と感じますが、大切なのは「これ以上増やさない」ことです。
過去のお金より、これからの生活を守る判断を優先してください。
迷ったら、まず支払いと連絡を止めることが現実的な対策になります。

場所を変えて深呼吸し、判断の時間を作る

相手の空間(個室・サロンなど)にいると、断りにくい雰囲気や圧力で判断が急ぎやすくなります。
「トイレに行きます」「電話が来ました」と言ってでも一度外に出て、呼吸を整える時間を取りましょう。
落ち着いて考える力を戻すために、まず環境を切り替えるのが有効です。

公的機関に相談する(消費者ホットライン188)

不安を感じたら、消費者ホットライン「188(いやや)」に相談できます。
契約の状況や断り方、対応の流れについて、客観的なアドバイスがもらえることがあります。
すでに契約してしまった場合でも、早めに動くほど選択肢が増えやすいです。

まとめ

スピリチュアル詐欺は「不安を強めて冷静さを奪い、解決策を高額商品に絞る」流れが多いので、手口と心理を知っておくことが最大の対策になります。

「当たっている」と感じたときはバーナム効果を疑い、不安を強められたときは判断を急がないことが大切です。
「ここまで払ったから」と感じたときは、サンクコストの話を思い出し、これ以上支払いを増やさない判断を優先してください。

なお、不安をあおる情報に振り回されず、呼吸や姿勢を整えて気持ちを落ち着かせる方法として、エネルギーワークの基本をまとめたこちらの記事も参考にしてみてください。

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